一般的に金型の寿命管理は、ショット数管理と出来栄え管理の両面で行います。
ショット数管理は、あらかじめ生産数量(ショット数)を設定し、それに達したらメンテナンスを行うというもの。
出来栄え管理は、その金型で生産した製品の状態(出来栄え)を確認して、問題なければそのまま生産を継続、バリなどが発生し問題があればメンテンナンスを行うものです。
多くの中国工場でも、このような管理方法を取っていることでしょう。ある中国工場でもプレス工程で使用している金型管理は、ショット数管理と出来栄え管理で行っていました。
出来栄え管理は、作業者の自主検査を2時間ごとに行い、製品の外観を確認項目に入れています。また、巡回検査員がやはり2時間ごとに回ってきて検査を行いますので、実質1時間ごとに検査を行っていることになり、出来栄え管理は機能していると言えました。
ショット数管理は、ERPシステム上で数量を設定し、それに基づいて金型担当の生産技術者が数量の把握とメンテナンスを行う仕組みとなっていましたが、本来の設定ショット数に達したらメンテナンスをするという方法ではなく、そこに出来栄え管理の要素を加えた方法で実施していました。
設定したショット数に達したら、その金型を検査して問題あればメンテナンスを行う。しかし、問題がないと判断したらそのまま生産を継続します。次に確認するショット数を設定し、そのショット数になったらまた金型を検査して同じ判断をするというやり方です。
例えば、当初30万ショットという数字を設定していた場合、30万ショットに達したら検査を行い問題なければ、35万ショットに設定し直して生産を継続するのです。そして35万になったら、また金型を検査して問題の有無を確認するというものです。
これが中国式の寿命管理ということでしょうか。