中国企業・顧客への確認連絡があだとなった事例?!

今回は、ある中国企業の気を利かせたつもりの顧客対応で起きた問題を紹介します。あと少し気配りがあれば問題とはならず、顧客の信頼感を増す対応になっていたはずでした。

中国工場から出荷手配をするのにあたり、物流部門からカスタマーサービス部門に対して混載でOKかどうかを顧客に確認するよう依頼がありました。フルコンになるだけの物量ではなかったので、通常であればコスト面から混載にします。初めての顧客だったので、念のため確認を取ろうと思ったようでした。

カスタマーサービス部門が顧客に確認のメールを入れたところ、顧客からは混載不可との回答がありました。ところが物流部門は、既に混載で手配をしておりもはや変更できない状況でした。

顧客に問合せたカスタマーサービスは、いったいどのように顧客に話をすればよいのか頭を抱えてしまいました。こんなことなら顧客には何も聞かず最初から混載で出荷した方がよかったと言っていました。

これだけを聞くと、まったくその通り、何でわざわざ顧客に問合せなどしたのか疑問です。

実は今回の件、この顧客から3つの案件を受注していました。製品の出荷に際して、3つの案件の内2つは混載OKと顧客から連絡を受けていました。残りの1つには混載可とも不可とも連絡がなかったので、どうなのか確認を入れたようです。

また、物流部門がカスタマーサービスを通して顧客に確認の依頼をしたのが、出荷の3日前でした。その日のうちに確認が取れれば混載が可でも不可でもコンテナ手配の対応はできるので、物流部門としてはそういうつもりでの問合せでした。

ところが、顧客から回答があったのは出荷前日でした。既に混載で手配しており、その時点でコンテナを変更することはできず「既に混載で出荷」という回答になった訳です。

気を利かせたつもりが、逆に顧客とカスタマーサービスの不信感を煽る結果になってしまったのです。問合せたときに、「本日中に回答をもらえれば、混載でもフルコンでも対応可能です」と期限を連絡するという、あと少しの気配りがあればよかったのです。

この問題の後、物流部門では対応可能な期限をカスタマーサービスに必ず連絡するようにしました。

さらに突っ込んで言うと、3つの案件の内、2つは混載可とわざわざ連絡があったのですから、残りの1つの案件は混載不可なのではないかと考えることができるたらさらによい対応になったのではないでしょうか。