不具合の原因には変化点があると思え!

ある焼結部品の最近の3か月の納入品で割れ、欠け不良が多発していた。 納入数量としては、1万個/月程度の納入であった。

このメーカーさんを呼んで不具合に関する打合せを行った。

メーカー側の初期調査では、生産に変化点はなく、思い当たることはないとの回答であった。そこで、最近の納入品で不良が多いことを認識してもらうために、当社でのその部品に関する品質実績を見せ、

ここでの品質実績とは、その部品を組込んだ後の不良率である。

この不良率の推移と最近発生した不具合の現品を見せて、最近のLotに問題があることは、メーカー側も認めたので、再度、変化点つまり原因を見つけるべく再調査を行ってもらった。

案の定、再調査の結果、変化点が見つかった。

焼結工程前にプレス工程がありプレス成形を行うのだが、あるときプレス機の調整を行っており、その調整には1台あたり2~3日掛かっていたことがわかった。

いったいそれが品質にどのような影響を与えていたのでしょうか?

今回の調査でわかったのは、機械を調整していた2~3日の間、材料がホッパーに残ったままであった。そうです材料がホッパーに入れっ放しになっていたのです。それによって、材料の水分が蒸発し、結果として成形・焼結後に割れが発生しやすいものとなった。

プレス機の調整後、その材料を使用して成形していたのです。

通常はプレス成形が所定数量成形し終えると、材料はホッパーから排出して保管される。今回、ホッパー内での3日間の放置が製品に影響を与えると言う認識がメーカーさんになかったので、変化点として捉えることができなかった。

普段と違う作業やメンテなどを行った場合は、変化点と捉えて見る必要がある。

このメーカーさんの場合、機械調整記録はきちんと残しておいたのであるから、何かあったときにそれを変化点と捉えて、その影響を確認することが出来ればよかった。

これを教訓に、そういう目を養っていくよう指導したつもりだ。