現在指導している中国企業の製品はユニットもので、お客様のところで組立をして使用します。この企業のユニット製品のセールスポイントのひとつは、お客様での組立工数を可能な限り少なくするために、中国工場でプリアッセンブリ―を行って出荷していることです。
プリアッセンブリ―は大きく分けて2つあります。1つは、製品をほぼ組立ててしまい、お客さんの方では、組立角度を調整するだけで済むようにしているもの。
もう1つは、組立に使うボルトやナットを部品に仮組みしておくというものです。それによって、お客さんがボルトやナットを組み込む手間を省くとともに紛失を防ぎます。
こうしたお客様の「面倒くさい」を工場側でやっておくことで、付加価値を高めているのです。実際に部品にボルト・ナットの組み込みは、作業者が手で回してやるという面倒な作業です。
この工場の方針として、生産量が多いものは機械による自動化を進めるというのがあり、それに対する投資を積極的に行っています。部品へのタップ加工は自動化が完了しているものもあります。
前述した部品にボルト・ナットを組み込む作業も自動化を検討しており、試作機が入っています。ところが組み込む部分は自動化されていますが、部品の供給は自動化されていないため人が供給しなくてはなりません。
これでは、機械1台に作業者1人が張り付くことになり、機械化した意味がありません。部品の供給部分も自動化した全自動機にする必要がありますが、もう少し時間がかかると思われます。
一方で、作業者が組み込む作業の半自動化の検討も進めていました。これは部分的に導入しており、手作業に比べると速いし作業者の負担も減っています。現時点で手作業に比べ50%以上の効率アップが確認できていますが、更に突き詰めてどこまで効率を上げることができるか検討しています。
自動化機械の出来によっては、半自動を進めた方がよい可能性もあります。並行して進めて、よい方を選択すればいいので、とても楽しみです。
作業を機械化、自動化するときに注意することは、機械化する前に作業のムダを取り除いておくことです。それをやらないと作業のムダも一緒に機械化してしまいます。