対策効果の確認を顧客にお願いする中国企業!!

中国企業から製品や部材を調達する場合の問題点は、品質・納期・取引上の問題など様々あります。約束した納期が守られず、こちらの生産に影響が出る。プラントものでは、設計変更によって発生した追加費用を高く見積もってきて要求通り支払わなければ出荷しないと言ってくることもあったそうです。

しかしながら、問題として一番多いのは品質面と言えるでしょう。日本ではあり得ない不良、次から次へと出る新たな不良、そして対策しても繰り返される不良と言った具合です。クレームへの対応も遅い、的を射ていないなどの不満を抱えている人が大半だと思います。

ただ最近は、品質への取組みやクレーム対応も一生懸命やる中国企業も増えてきているという実感があります。不良を減らそう、クレームへの対応をきちんと早くやろうと頑張っている企業です。でも、まだまだ力不足、経験不足で十分な対応が出来ないといのが現実でもあります。

ある中国企業も品質向上により日本市場でのシェアアップを目指しています。
そんな時にメッキ鋼板を使用した部品で錆不良が発生しました。工場での梱包時に錆はありませんでしたが、顧客が受け取った時に錆が発生していたのです。

この中国企業では、梱包に問題があると考え梱包方法を変更しました。梱包方法を決めるのは開発部門で、彼らは以前の梱包方法では水分の逃げ場がなく、輸送中の船の中で梱包内で高温多湿となり錆が発生したと報告しました。

変更した梱包方法は、水分の逃げ場を設けました。早速変更した梱包方法で梱包したものを出荷しました。ですが本当に梱包に問題があったのかどうかは検証できていません。原因はあくまでも彼らの推定にすぎません。

問題なのは、新しい梱包方法で問題が発生するかどうかを自分たちでテストして確認していないことです。「対策した梱包方法で出荷したので、錆が発生したかどうかお客さん確認してください」というスタンスなのです。対策効果の確認を顧客にさせているのです。

しかもそれを問題とは思っていないのです。「原因を考えて対策を取った」それで自分たちの責務を十分果たしたと考えているのです。メーカーとして対策効果の検証は自分たちでやって確認しておかなくてはなりません。

この場合なら、以前の梱包方法のものと対策した梱包方法のものを高温多湿下の環境に放置するなどして、錆発生の再現テストと効果確認テストを実施することが必要です。

そうしたテストから知見と経験を得て、業務レベルが上がっていくのです。