中国進出の品質リスク、自社には関係ない??

何年か前のことですが、ある日系企業の方と話をしていたところ、中国工場進出についての話をなった。これから中国に進出することが決定した。現在は香港に事務所があるだけとのこと。

これから進出する場所を決定する。場所は広東省の東莞市または深セン市までは決っているが、その中のどこにするかで悩んでいた。東莞/深センと言っても広いので、場所によってずいぶん条件が違ってくるので、慎重に選ぶことが必要だ。

今から進出する理由は、競合(同じ日系)が既に進出して広く展開していること。そして、顧客の多くが中国に進出しているので、それら顧客へのサービス/対応強化と言っていた。

中国に進出した日系企業のほとんどで、工場設立時期においては品質トラブルが多発して、自社はもちろん顧客にも迷惑を掛けることが起きているので十分注意が必要であることを話した。日本と同じ設備、機械を持ってきているから大丈夫だと言っているにも関わらず、多くの企業で品質トラブルを多発させている事例を先方に紹介した。

設備や機械は持ってきても、そのオペレーションに関わるノウハウや細かい勘所を持ってこない。また、それらを持っている人を連れてこない。

中国の人に仕事をしてもらう時のこつやポイントを誰も知らない。これを1から学んでいたらいくら時間があっても足らない。これらについて、事前に調べ、既に進出している企業に教えてもらうこと、専門家の力を借りることも必要だ。

この企業は現在中国で全く生産していない訳ではなく、別の日系企業の工場に委託して1部加工を行なっている。この会社では、他の日系企業に委託している1部加工について、その管理と指導を自社でやることを考えていた。事前に指導や管理のノウハウを習得するのが目的とのこと。

自社で管理をやってみるのはよいことだ。ただ話していた中では、工場立上げ時の品質トラブルについて、あまり真剣に受け取っていないように感じられたのが残念であった。