不具合対策が引き起こした不具合?!(失敗例)

今回は、よかれと思って実施したことが、裏目に出てしまった失敗経験をお伝えします。

日系の中国工場から購入していた部品で、重大不良が発生しました。不良の内容は、加工寸法の規格外と加工不良(形状不良)でした。この不良が厄介だったのは、それを使っている当社(当時)では、その顧客が使う部分に一切手を加えていないことだった。つまり、部品メーカーの不良がそのまま、顧客に流出してしまうことでした。

最初に顧客クレームになった時に、この部品メーカーに出向いて工程をチェックし、問題点を一緒に協議し、対策を実施してもらいました。しかし、対策後に再び同じ不良が発生したのです。

再対策の回答が提出されたので、内容をチェックしたところ、何点か気になる点があったので、再度部品メーカーに行って対策内容について協議しました。

その結果、先の対策が逆に不良を誘発する要因となっていると、双方で認識が一致しました。

よかれと思った対策を見直してみると、作業の流れを止めることになり、そのために加工時の送り寸法を勘違いさせてしまう可能性があることが分かりました。この会社では、作業確認のためにそうしたのだが、結果は裏目に出てしまいました。

誰も悪くしようと思ってはいません。でも結果としてこうなってしまいました。しかし、今回の対策立案時の確認に問題があることが分かりました。

それは、対策を考えた時に、その工程の作業者の意見や考えを聞くことなく、管理者の側だけで対策を立てていたことです。

前回の「作業者の知らない不具合対策は意味がない!!」に通じるものがありますね。

対策効果の確認は、結果だけでなく工程での作業検分も行うことが必要であることが、今回の例から言えのではないでしょうか。