パレート図の使い方、つくり方を知らない品管スタッフ!

品質改善はどこの工場でも大きな課題として取り組んでいると思います。日系の工場でも日本人が主導するのではなく、中国人スタッフに品質改善の取組み方を落とし込んでいるところも多くあります。

工場の品質が一定程度のレベルになったのであれば、次のステップとして中国人スタッフが中心となった改善を進めることが、次の課題になってきます。

目先不良が多発している、特に顧客クレームが多発している工場では少し取り組みが違ってきます。中国人スタッフによる改善を進めるというような悠長なことは言っている余裕はありません。

このような状況の場合、なりふり構っていられませんので、日本人自らが改善を進め、不良の発生及び流出を止めることが必要になります。

ある工場で中国人スタッフに品質改善をテーマとして自社製品のひとつを担当させました。QCストーリーを教え、それに基づいて進めるように指示ました。

先ずは不良データの収集と分析です。担当した製品ではどんな不良がどのくらい出ているのかを見ていきます。そして、どの不良を潰して改善するのかを決めていくことになります。

このような場合、パレート図を使って状況を把握し取り組みの優先順位を決めていく訳です。ところが中国人スタッフは円グラフを使って報告してきました。

当然パレート図を使うものと上層部は思っていたようでしたが、中国人スタッフはパレート図自体を知らなかった、そして、こういう場面でそれを使うということも知らなかったのです。

知らない中国人スタッフが悪いのでしょうか。そうではありません。教えられていないことは知らないし出来ないのですから、教えていなかった上層部が悪いということになります。

上層部は、円グラフではなくパレート図を使って再度分析するように指示しましたが、パレート図の見本は見せたものの書き方は教えませんでした。

案の定、作成してきたパレート図は、不良比率の高い順番に並べていないものになっていました。