受入検査NG、その原因は検査機器にあった!

ある工場で表面処理をしている部品の受入検査で不合格が続発していました。不合格の項目は、漏電でした。この部品は、特殊な表面処理をすることで電気絶縁性を持たせていました。

どの仕入先でも出荷前には出荷検査を行い、合格品を出荷しています。それが受入検査で不合格というのは、本来おかしいのですがよくあることです。

受入NGの多くは、判定のグレーゾーンにあって微妙なところで合格となったり不合格となったりしている。ところが続発するというのは、何かがおかしい。

その調査のために仕入先である表面処理メーカーに工場に来てもらった。考えられる要因のひとつに測定方法や測定器が違って、それによって結果が異ってしまうということが考えられました。

この判定の相違解消のために行った打合せの結果は、
・使用している測定器は同じもの
購入側から仕入先に支給していたのですから当然です
・測定子が違う
ことがわかりました。

購入側が使用していたものは先端が細く、仕入先が使っていたものは先端が太くなっていました。この細い太いの違いが、表面処理のピンホールなどを拾うか拾わないかの違いとなり、結果に違いが出ていたのです。

なぜこのようなことになっていたのか?
仕様取り交わしの初期段階でこのあたりをきちんと確認できていれば、測定子も支給していれば何の問題もなかったはずです。

このような初歩的な問題点を確実に潰せていなかったのが問題です。

このような初歩的な問題、皆さんの周りでも発生していないですか?機会を設けて再点検してみてはいかがでしょうか。

購入側の要求は、先端の細い測定子でも漏電検査で問題のないことです。今後、仕入先でも先端の細い測定子で検査をすることになった。

ただし、技術的にその細い測定子ですべて合格することは難しいと言うことがその後わかりました。お客さんにはこの表面処理仕様で申請しているので、いまさら変更できません。さてどうしたのでしょうか。