中国工場の品質が悪いのはなぜかを3Mという視点で捉えて考えます。
これまで「人」について考えてきました。
今回は、設備・機械に関する要因について考えてみます。
日本から中国に生産移管する企業とこのような会話をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
「中国生産の品質は大丈夫ですか?」
「日本で使っていたのと同じ設備を入れるので心配いりません。」
「日本で使っていた機械を持っていって生産するので大丈夫です。」
ところが実際に中国で生産を始めると、不良の大発生となってしまいます。
一体なぜでしょうか。
それは、設備・機械は同じでも、それを管理するノウハウを持ってきていないからです。
管理ノウハウとは何でしょうか?
・機械の微調整
・消耗品、摩耗品の管理
・メンテナンス管理
などがあります。
機械で安定的に生産をするためには、微妙な調整が必要なことも多くあります。
この微調整は、カンとコツの世界で、いわゆる匠の世界がそこにあります。
手順書には書かれていない暗黙知の部分が多くある訳です。
消耗品や磨耗品の管理も重要です。特に摩耗品の管理が悪くて不良になったという事例を中国で数多くみました。この管理ノウハウも落し込まれていないのです。
機械にはメンテナンス管理も必要です。古い機械になれば尚更これらの管理が重要になってきます。
これらノウハウを中国人スタッフに落とし込めていないのです。設備や機械は同じでもそれをオペレーションする人が違うわけです。移設当初は日本から担当者が来て調整や指導をし、中国人スタッフにそのあたりを落とし込んで帰ります。でも、そのすべてを短期間で伝えることは困難です。なぜかと言えば、日本で十年も二十年も掛けて培ったノウハウなのですから。
この機械のオペレーションノウハウの部分を甘くみて、失敗している企業が多くあります。