不良品、見つけた後の処理が大事!!

駐在員で購入部材の品質管理責任者をしていた時に、主要取引先の部品に不良が発生したとの連絡が工場からありました。このメーカーさんは、その部品では日本でも有数の会社で、ずいぶん以前より海外に工場進出していました。ただし、中国に進出したのはだいぶ後になってからのことです。

不良内容は寸法不良で、ある部分の寸法がマイナスしていたのです。すぐにメーカーさんを呼んで、発生状況の説明と不良サンプルを渡しました。翌日には、不具合の発生原因を突き止め、たちまちの対応についての報告がありました。

ここまではさすが、この部品のTOPメーカーさん。「分析技術力があるな」と思ったのですが、この不良品、先方の社内検査でちゃんと検出していたのです。

ものづくりをしている以上、不良をゼロにするのは無理であり、100%良品と言う訳にはいかない。それでも顧客に不良品を出してはいけません。そのために検査をやっているのですから。

このメーカーさん社内でこの不良をちゃんと検出していたのに顧客である我々に納入してしまった。不良品を発見した時の処置、対応に問題があったのです。

後日、この件をテーマに監査を行ない、その場で不良流出原因の報告がありました。 1.不良Lotを限定するシステムに問題があった。 2.運用もされていなかった。 3.従業員(作業者,主任,課長)のこのシステムに関する理解も十分でなかった。

つまり、不良品を見つけた後に、その不良品が波及する範囲を特定するやり方が不十分かつ、周知されていなかったのです。

わたしはこの監査で、メーカーさんに次のように言いました。 「不良を発生させた原因よりも、社内で検出していたにも拘らず、流出したことの方を問題視します。なぜなら品質システムの欠落につながるからです。」と。

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