今回は、工場管理の基本に関する話です。
上海郊外にある日系工場は設立して10年近くになり、順調に生産量も増えてきています。また、新製品の立ち上げも年に数回あり、グループ会社の工場としてなくてはならない存在になっていました。
その工場を初めて見たとき赤箱があまり使われていないことに気が付きました。赤箱は工程で発生した不良品を入れ、良品と明確に識別区分することで間違って次工程や顧客に流出することがないようにするためのものです。
一方で、倉庫にある立て看板の表示には、製品名がきちんと書かれていたのはよいのですが、製品名を赤い太線の枠で囲っていました。そのために最初に見たときに不良品置場と勘違いしてしまいました。
この工場では単に目立つように色を使っているだけで、色に意味がある、意味を持たせるという意識はありませんでした。
「赤は信号で言えば止まれ」しっかり止めて工場の外に出してはいけないという意味を持っています。
要するに不良品は赤箱に入れる、不良品置場には床に赤い線を引いて良品ではないから外に出してはいけないと従業員に認識させることが大事なことです。
青は進めですから、次工程や顧客に出してもよい良品という意味があり、黄色は注意ですから、判断待ちなどの保留品を入れるという意味を持たせます。
当たり前のように行っている色による管理ですが、工場全体で統一をして管理を進めることで、管理レベルが一段上がります。当たり前のことが当たり前にできる工場が強い工場と言えます。
何気なくやっている色による管理ですが、このように信号に例えてみると、その意味がより明確になります。作業者たちの理解度も上がりますよ。