中国工場は従業員の流動性が高いことが、工場経営者共通の悩みとしてあります。
中国人は、転職に対して何の抵抗も持っていません。給料の高いところがあれば、すぐに移ってしまいます。もっとも最近は、給料だけではなく福利厚生もよくしておくことも必須になってきました。福利厚生とは、宿舎の設備や食事の美味しさなどですね。
給料が大事な要素であることは変わっていません。実際に作業者レベルでは、残業がないと辞めてしまうのも事実です。
ところが、作業者ではない管理者レベルになると、辞める理由が給料に不満と言う率が低くなるようです。これが幹部クラスになると、元に戻ります。辞める理由として、福利厚生を含めた収入への不満がトップになっています。
中国人従業員の離職は、職制(作業員、管理者、幹部)や社歴で区分して考えることが必要です。離職対策は、全体を一緒に考えるのではなく、それぞれに区分して考え、実施することが必要です。
女工さん(作業者やそれに順ずる事務員)たちにとって、給料が重要な要素ですが、管理者(候補を含む)になると少し事情が違ってきます。管理者にとって、自分のキャリアアップ、昇進の可能性や社内での地位やポジションが重要な要素となっているようです。
作業者も管理者も工場にとって、大切な役割を果たしている人たちですから、少しでも辞めさせない環境や制度を採りたいものです。
過去にこのような離職の事例がありました。 高級事務員のある女性は入社1年半位で、給料は3000元/月程度でした。非常に優秀で先々期待されていました。日本語は出来ないものの英語が話せました。
そんな彼女が突然退社すると言ってきました。聞けば欧州系の会社に行くとのこと。理由を聞くと、会社や仕事に不満はない。むしろ今の仕事がおもしろくなってきたところで、もっと続けたい。
ではなぜ辞めるの?この日系の会社で将来それなりのポジションに付くには、日本語が出来ないと無理。自分にはそれがないから、他の会社に行くと泣きながら言っていたのです。
皆さんは、この事例をどのように思われますか?