工程管理、上流と下流で雲泥の差の中国メーカー!!

ある中国系電線メーカーを工場監査で訪問しました。 工程は大きく分けて、「母線の入庫‐伸線‐塗装焼付‐検査・梱包」となりますが、 実際に加工しているのは伸線と焼付工程だけです。

装置産業の代表と言えるもので、1度流れ出したら止めることなく連続して生産することになります。それだけに初期の設定や設備・使用する冶工具類の点検がとても重要です。

最初の伸線工程は、ポイントとなるのが線径を決めるダイスの管理です。

ダイスをメンテしている部屋に行ったところ、メンテ担当者が何人も一生懸命作業を行っていました。ただし、その作業は経験と勘によっているようで、標準作業というものはありませんでした。

メンテ後にその出来栄え確認のために検査しなければなりませんが、その検査記録が出てこない。先方はやっていると言っているが、同行した中国人スタッフは、「記録がないんだから、検査しないで工程に投入しているんだ」と決め付けていました。

問題なのは間違いないですね。

それに比べ焼付工程は、非常によく管理されており、いい印象を持ちました。 この工程では5Sもよく出来ており、管理上の記録も問題なかった。

伸線工程ではダイス管理を代表として、全体に管理が不十分。それに比べて、焼付工程は管理が行き届いており、その管理状況は同じ会社の同じ工場なのに、雲泥の差がありました。

なぜこのようなことが起きているのか?考えてみました。この会社では、「焼付工程が品質を決める最重要工程である」と認識しています。これはこれで正しい認識です。

また、「下流工程(焼付)で上流工程(伸線)の不出来をカバー出来ている」と考えている。ある程度カバーは出来ると見てよいが、カバーしきれていないことに気が付いていません。これは発生している不良内容から見れば判ることなのです。

この会社は、一番押さえなくてはいけないところは押えていました。しかし、他の工程についても、同様の管理が出来るように改善努力をしなければなりません。なぜなら、今の状態では万全の品質を保証できる体制にはないからです。

大事なのは、より高い品質を保証するために一歩ずつ階段を上っていく姿勢とその実践です。

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