中国人スタッフが正しかった図面の読み方!!

あるプレス部品が受入検査で不合格となり、定例ミーティングの時にスタッフからその内容と対応に関しての説明を受けました。

検査NGとなった部分は、細い端子となる部分の曲げ加工後の開き寸法でした。スタッフの説明では工場検査課の検査方法がおかしい、日本の本社に確認するように工場に要求したとのこと。よく確認すると、検査方法がおかしいのではなく、図面の読み方が違うということでした。

曲げ部の開き寸法なので、曲げの根元部と先端部では当然寸法が違ってきます。その違う寸法を開き方向(外側に倒れる)に許容するのか、それとも閉じる方向(内側に倒れる)に許容するのか、これに関して図面の読み方が違っているとスタッフは主張しました。

工場検査課は開き方向と、逆にうちのスタッフは閉じる方向だと言っている訳です。確認のため図面を見たわたしは、開き方向(外側に倒れる)と読み取りスタッフに伝えました。しかし、スタッフは納得していなかったので、たまたま出張で来ていた日本人のベテラン技術者に確認することにしました。

ベテラン技術者に確認したところ、この部分は内側に倒れて(閉じる方向)いないと、組み込む時に相手側部品にうまくはまらないと説明されました。

つまり閉じる方向に許容していた訳です。何と中国人スタッフが大正解!!と同時に自分の勘違い(間違い)に、大反省。

スタッフが正しい理解の下、この問題解消に向けて対応していたことがすばらしかったし、何よりも嬉しかったですね。

今回はわたしの失態の話であったが、このような失態をしたにも関わらず、信用を失うことはなかった。(後々の態度からそう思った。)

それはどうしてかと考えました。純技術的問題でわたし自身に判断がつかない時、自信がない時に自分の判断を押し通すことをしないで、わかる人にきちんと確認をしたことが重要なポイントだったのではないかと思っています。

たとえ日本人でも、上司でもすべてを知っているわけではありません。そんなときにきちんと確認し、相手が正しければ相手を立てることが信頼につながっていくのです。

今回の出来事で、当の中国人スタッフは自信を得たと思っています。

後に、サプライヤーさんもちゃんと閉じ方向で管理しているとのことが確認できました。 本社に確認した結果も当然、ベテラン技術者に確認した結果と同じでした。

今回検査NGの発生原因は、図面の読み方だけではなく、検査をする際に使用する検査規格書というものがあるのですが、その中の記載が間違っていたことにあります。根元部と先端部の表示が逆に記載されていたのです。

本社確認で修正され、この部品の検査結果は、無事合格に変更されました。